フランス在住、高校生の娘を持つ人のブログがすごく面白くてよく読んでいる。
フランスの高校生は共通の卒業試験を受けて、その得点を持って大学入試の選抜を受けるらしい。その問題がいかにもフランスらしいというか、日本と全然違うというか。
文系の哲学問題で、以下の3問から一つ選んで論述回答する。制限時間は4時間(!)。
1.芸術作品は私達の認識を教育するか。
2.私達は幸せになるために全力を尽くさなければならないか。
3.カール=ポパーの著書「客観的知識」の抜粋テキストの解説
ちなみにカール=ポパーは哲学者/思想家。これ...書かせたはいいけどどうやって採点するのか??? 引用文献の選び方とか、論の展開とかも評価されるのだろうか。何段階で? 日本の大学生も答えられるかどうか分からない…。哲学専攻ならいけるのだろうか。っていうか、大人でも論理的な解答ができるかどうか。すごく深い。(でもひょっとして、専門としている人たちにとっては、DNAの二重螺旋構造くらいに基本的で初歩的な話題なのかしら。)
受験指導するのも大変だろう。さすが歴代の思想家、哲学者を生み出して来たフランスだ。こういった思想訓練を受けた学生と、ただ暗記に徹して来た学生では持っているもの、考えが全く異なってくるだろう。グローバル化の中での競争とは、まさにこういう人たちと戦うことを意味する。運動会練習に何週間も費やしてる場合じゃないよ!(怒)
まあ、新入社員は大声で挨拶さえできれば良いなんて言っている一般企業が多くある限り変わらないのかもしれないが、それで良いのか。生まれる国や地域で受ける教育も経験も全く違ってくる。この差は何なのか。
アメリカの高校生(だったかな)の試験では、「あなたが当時のリンカーン大統領だったら、奴隷解放宣言をしたか?理由も述べよ。」みたいな問題が出たとか。多分、当時の社会情勢と経済状況、常識、そして自分の価値観と自分の選択によって生じる利点を理論だてて解答するんだろう。深いーーー。
(教育を受けられるだけでもありがたいだろう、というご指摘はごもっともです、もちろん。)
No comments:
Post a Comment