5.12.2016

Its up to you, it's up to be. 南半球のうねりから人生の舵取りを考える

また出た。職業人の荒波 in 海外。

次は、オーストラリアの大学の大麦育種プログラムが監査の結果廃止されることになり、育種プロジェクトリーダー(教授)及びスタッフが解雇されることになる模様。 衝撃的すぎて言葉が出ない。

納得いかないのは、この大麦プロジェクトが優れた大麦品種を何十年にも渡って開発してきていて、オーストラリアの大麦生産の効率向上に貢献してきたのに、この仕打ち、ということだ。非採算部門だったのならわからなくもないが、その逆だ!なぜ? 教授に電話したら、彼も戸惑い、失望した様子だった。大麦の研究もしていたので、てっきり研究者として配置換えになるのかと思ったら、本当に、あっさりと解雇を言い渡されてしまう。

そんな厳しい環境に身を投じようとしているので、他人事ではない。

まあでも、彼らから見たら日本の終身雇用の方が不思議なようだ。会社が常にお金を持っているとは限らない。今は必要な技術が、将来は必要なくなるかもしれない。デジカメの普及により、現像技術者が職を失ったように。

社会の変化は大きく速いので、そんな風に必要とされる技術のターンオーバーが激しく、一つのスキルだけで安堵してはいられない。連続的に、時勢にあった専門性を常に身につけていくことが必要とされるのだと、今読んでいる本「研究者のための思考法10のヒント」にもあった。

オーストラリアの例のように激しくはないにせよ、日本でもそういった流れになるのではないだろうか…。きっと、変化をチャンスと捉えられる人が生き残るのだ。
そうなれば、以下のような現状の問題は解決するかもしれない。
・働かない(学ぼうとしない)のに、勤続年数が長いという理由だけで高い給料をもらう人がおり、不公平感が募る(「高い給料をもらう」というのを、「高い地位に就く」
と入れ替えた版も同じ)
・一生同じ会社にいる人ばかりなので新しいアイデアが起きにくいし考え方が似てくる
・新卒就職で思ったところにいけないと再スタートが難しい(中途採用が少ないから)
・それなのに、景気が悪いと新卒採用を控えるから年代によって就社のしやすさが全く違い、これまた不公平。景気なんて自分の力ではどうにもできないのに。

学生の時、社会科の先生が「家族を養う身になったら、年代に沿って給料が上がらないとつらい、だから年功序列は賛成だ」と言っていて、そのときはそんなものかなと思っていた。しかし、本来であれば給料を上げる正当な理由がないといけないだろう。確かに長年の勤続に手当はついても良いけれど、それだけでは足りないのでは。仕事の出来高や品質を常に上げようと努力し続けなければ、その人でなくてもいい、となってしまいかねない。(だって、若い人を雇う方が安いのだから)

なんて考えたりしている。要するに、どちらの制度にも長所と短所があって、

(1)解雇される可能性がある職場は、職によって給料が決まっている。
・努力しないと解雇されるのでみんな努力する=生産性向上。
・しかし努力しても解雇される場合もあるのでその時の無念感は大きい。
(2)終身雇用の場合は努力してもしなくても年数だけで給料が上がる
・勉強したい人は解雇の心配をせず安心して長期的な努力ができる。
・一方、努力する利点があまりないので努力しない人も出てきて、昇進、昇級が必ずしも実力によるものではない不公平感がある。

ま、結論としては、自分次第ということです。
高校の恩師がおっしゃっていたが、環境のせいにしてはいけない。どこでも、どんな状況でも、真面目に取り組むことができるかどうかはその人次第だ。

No comments:

Post a Comment