大学院に進む道は結局選ばなかったけれど、ちょっと気になっていることがある。
就職活動をする中で、メーカーの研究職となると、応募資格:修士卒以上、
という企業がけっこう目についた。それは学部生にとって酷ではないか。
誰もが望めば大学院に行けるわけではない。四年間学生を続け、さらにもう二年間というのは大変な金銭的負担である。親が定年退職を迎えるころと重なる人も少なくない。学費を自分で全部出しているから、あるいは、奨学金(つまり借金)をこれ以上借りられないから、等々の理由で、大学院進学をためらう人は多いと思う。
これで、メーカーの研究者として仕事をしたいと思った時に、この六年間の出費がないと、選考の第一段階にもかけてもらえないというのは、不公平である。もちろん、修士の二年間で学べることも多いけれど、だったらその分、大学四年間のカリキュラムをより充実させてはどうか。
一年生と二年生の教養課程でも、専門科目を重点的に取り入れるとか(これは実施済みの大学、学部も多いと思うけれど)、早い段階から研究室に所属するとか、対策はとれるだろう。だいたい、二か月近くの休みを一年間に二度も与えるのは多すぎる。休みを短くして、その分修士課程で取り組むようなことを学部生のカリキュラムに組み込めば、非常に充実した四年間になると思う。
就職活動を有利に進めることを主な目的に、大学院に進学する人が増えて、修士限定で採用するような企業が増えていく。そうなると、経済事情による教育格差、収入格差がますます広がっていくのではないか、と危惧されてならない。
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