介護というきつい仕事でも、本国フィリピンで働くよりは給料がいい。それだけでもあまりいい気分はしないのに、長時間労働でしかも被介護者の財産を狙っているんじゃないかとか陰口をたたかれたりするから、それは想像を絶するつらさだろうと思う。肉体的にも、精神的にも…。
それでも与えられた仕事を真剣にこなして、介護しているおじいさんと仲良くなったサラは、最後おじいさんからこういわれる。
「あなたの仕事は、誰かが人生において失ったものを、とりもどしてくれる。だから、私は今言うよ。――――人生に、あるとき、思いもかけないときに誰かが入ってくることがある。私にとってはあなたがその人だった。あなたは私に、尊厳、希望、喜び、楽しみさえ取り戻してくれた。」
サラは自分のことはそっちのけで、おじいさんの介護をし、同時に夫の面倒を見、助け、近所の男の子が万引きをしているところを見つけてしかり、怪我をしていれば手当てをし、食事をつくってあげた。彼女は本当にgiverだと思う。自分の欲望とか、相手が自分に何をしてくれるかとかを一切考えないで、彼らの喜びが彼女の喜びであるというように行動している。私も、これまでたくさんの人に支えてもらい、お世話になり、育ててもらったから、これからは相手に与えるということをしていきたいと思う。やろうかな、どうしようかな、といつも思ってタイミングを逃してしまわないように…。
自分が今日本でどれほど幸せな生活をしているか、身にしみて感じてしまった。反省、反省…。
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