12.21.2024

「世界は、夢組と叶え組でできている」/桜林直子

やりたいことがはっきりしていてそれに突き進む「夢組」と、夢組がそれを叶えるのをサポートして現実化する「叶え組」がいる。というお話。自分の人生の段階によっても、場所(職場、家庭)によっても、自分が夢組か叶え組なのかは違うかもしれない。


◆やりたいことがない、というのも全然あり。
やりたいことがあって、カリスマがあって、突き進んでいく人たちばかりがもてはやされるが、おんな夢組ではなくても、自分ではやりたいことが別になくても、この人の助けになりたい、という気持ちで仕事をする叶え組の人たちもいる。それぞれの特徴なだけであって、優劣とかいい悪いとかはない。

◆ガマンや、やりたいことを抑えるフタがある場合は外していく

しかし、やりたいことがない、とか、自分が欲しいものがわからない、というのは、自分の欲がわかっていない、これが食べたい、これが欲しい、これをしたい、など、自分がどう感じるかをずっと閉じ込めて来た人は、自分の欲を分かっていないのだとも筆者は言う。

小さい頃、生きていくために、大人・環境に従って、ガマンをしてきた人。であれば、そのガマンはもう手放していい。もっと自由に、自分が今どこにいて、何をして、どんな人と付き合って、どんなものが欲しいのか、素直に少しずつ、自分の心の声を聞いてみるといいんじゃないかと思う。

私は自分の欲しいものがはっきりしているときと、そうでもないときがある。留学はしたかった。大学院も行きたかった。ので行った。それ以外の選択肢はない、と思っていたほど。

一方で、専攻とか、人間関係とか、食べるものとか、買い物とかは、迷いまくり。そんなにこだわりがないところ、なのかもしれない。

◆自分のサイズと持ち物から、やれることを見つける

自分のサイズ=自分の凸凹を把握する。譲れない条件や、ほっとくとこうなる、という性格や、変えられない環境。嘘をつかずに、自分のわがままを全て出し切る。例えば彼女はシングルマザーなので、仕事をする時間を固定したくない、18時以降は働かない、夏は子供と一緒に夏休みを取りたいから働かない。見えない部分があるとフリーズして機能しない。

自分の持ち物=出来ること。こうなりたいという願望は一切入れず、自分が今もっているもの。解決力、機嫌よく働く、おせっかい、人使いが荒い、それまで経験してきたお菓子業界の仕事も一つ一つ。誰にでも出来る仕事だとしても、すべて「持ち物」の中に入れ、この中から出来ることしかやらない、と決めたそう。「できたらいいな」「やってみたいな」は選ばない。

で、このサイズと持ち物から、家の間取りと家具の配置を図面の上で何度も試すように、組み合わせて、こうしたらいいか、ああしたらいいか、とプランを練った。これは、八木仁平さんの、好きと得意を組み合わせていろいろな職業を考えてみる、に似ている。「自分の持ち物を知っていると、他人の持ち物と組み合わせて役に立つ方法も見える。持ち物にないものを求められて、「役に立たない」と落ち込まなくて済む」もキモ。ここに協働の意義がある。

◇生存者バイアス

これについてお友達と話したら、「シングルマザーになった。じゃあ起業しようと言ったって、そう簡単ではない。全ての片親が、彼女のように成功できるかといえばそうではないかも。起業した会社の殆どは潰れる、生き残るのは一部だけ。まして、自分の持てる全ての時間、全ての労力を投入できない子育て期にあっては。彼女は会社員時代に学んだことプラス、きっともともと起業家の素質があった。この本には『生存者バイアス』もある。」と考えが広がり、私にはない視点だったので目からウロコ! 確かにー。とても勉強になった。

◆時間は人生

「やりたいこと」の他に、「自分の時間をどう使うか」を考えないといけない。30代になると仕事・家事・育児・趣味、と時間が足りなくなってくるので、何に時間を割り振るか、自分のキャパの中で、時間割を決めて、それを「やりたいこと」としたらよい。人によっても、人生の段階によっても、時間割は違ってくる。仕事の割合が高かったり、子育ての割合が高かったり。

人生は死ぬまでの時間なのだから、何をするか、誰といるか、が全て。

◆やりたいことリスト100を書く

やりたいことを100個書くことで、自分の欲を抑圧しているフタを観察し、外すことが出来る。最も大きなフタは、「幸せになりたい」という欲を抑える、「幸せになってはいけない」というフタ。交流分析の禁止令にも出てくる。まさに。

『「やりたいことを見つける」とは、運命のたったひとつのなにかに突然バッタリ出会うのではなくて、小さなよろこびや自分がアガることを見つけて、それをガマンしないで、自分をよろこばせ続けていたら、気がつくとすでに手の中にあるようなものなのかもしれない。』

◆人生には波がある

  • 自分のやりたいことをやるときと、人のためにやるとき
  • やる気があるときと、ないとき
  • 過去を振り返るときと、未来を見るとき
  • 人に会いたいときと、一人でいたいとき
  • コンテンツを浴びたいとき(インプット)と、創作したい(アウトプット)とき
  • 力を入れるときと、力を抜くとき
  • 都会がちょうどいいときと、自然を求めるとき
  • 全部が楽しいときと、全部が怖いとき
  • 自信があるときと、自信がもてないとき
  • 自分の内側にもぐりこむときと、外側から俯瞰で見るとき
時間が経ってから眺めると、出来事の意味が変わることもある。これは本当にある。
休んだ方がいいときもある。一時的に止まっているように見えても、全体の波としての動きを見れば、じき戻るから、と思える。「今は、そういう時期だ。」と思えばいいのだ。

◆自分のためだけになっていないか、人のためだけになっていないか

人のためだけになると、自分のことが疎かになるし、逆も然り。バランス感が重要。人のため、と思いながら、承認や感謝がほしい、とか思ってしまうと、「こんなにしてあげてるのに!」となったりするし。

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