本書の要点は主に三つ。
1.なぜ書かないかという言い訳の論破
2.書くためにすべきことはたった一つー計画を立てて書くこと。
3.論文を書くために参考になるアドバイス(どちらかと言えば詳論となる)
1.書く時間がない、のではない。最初から予定に入れ込んでいないだけだということ。大学教員だったら、授業をする時間がない、なんて言うだろうか。授業は時間割に最初から組まれている。だったら、書く時間も時間割のように最初から日常生活に入れ込んでしまおう、という理屈だ。非常に明瞭。
2.多く書ける人に何か特別な才能があるわけではない。学術文書や書類を書くことはルーチンであるから、訓練でできるようになる。気の向いたときしか書かない「一気書き」派は、終わらない仕事と迫る締め切りにいらいらするが、「スケジュール派」はそんなことはない。毎日コツコツあらかじめ決めたとおりに執筆時間を使えば、できあがるのは時間の問題だ。ということ。
いかに毎日の積み重ねが大事かがよくわかる。これはなにも執筆に限ったことではない。スポーツでも、ダイエットでも、語学修得でも同じである。短期間に勢いでわーっと行っても、一時的な効果はあるかもしれないが身にならない。これが執筆活動であれば、見直す時間もなく荒仕事になる。
朝はじゃまが入らない時間なので、執筆には向いている。夜は疲れているし、帰宅時間もまちまちだからだ。朝、メールも見ず、電話もマナーモードにして、執筆作業を行おう。
3.セミコロンの使い方、ハイフンとM-dash(Mの大文字の幅であることから)、N-dash(同様に、Nの大文字の幅)の違いは非常に勉強になった。
セミコロンは、対応したり対になっているもの(同じか?)を結ぶ。Mダッシュは、関連のある前後の文を収まりよくしてくれたり、挿入句を入れやすくしてくれる。
People in the reading condition read the words; people in the listening condition heard a reading of the words.
At time 1, they did this; at time 2, they did that.
Our academic journals radiate bad writing--I store them on the shelf farthest from my desk to avoid the fallout.
Nダッシュは between の意味を表す。この存在を知らずに、Nダッシュを使うべきところをハイフンにしてしまう人が多いそうだ。(ちゃんとしたワードプロセッサーソフトでないと出ない。このブログでは無理なようだ。)
parent-child behaviour は、短いハイフンなら「親になってしまった子供の行動」となってしまい、Nダッシュなら、「親と子供の間に見られる行動」となり、正しい意味になる。知らなかった!! Teacher-parent relationship なども同様。勉強になった。知らないうちに、ハイフンをNダッシュに直してくれていた編集者に感謝しよう、だって。
A, which is defined as B, demonstrates that....
という文は、
A, defined as B, demonstrates that....
という文、もしくは、
A--B-- demonstrates that...
に書き換えると簡潔で印象的になる。このときに使うのは長いMダッシュ。
とても勉強になったーー
論文ですが、めでたく投稿段階に! そして、「この論文を査読するにふさわしい人の名前を3-5人挙げてください」なんて出て、また教授に聞かないといけない…笑 でも、もう最終段階です。査読で何と言われるかはまた別の問題だけど。
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