学会面白かった〜
女性が多かった。7割くらい女性ではないかという印象。わきあいあい~ 植物育種では逆で、7ー8割が男性だ。トラクターを乗り回し、重い種子箱を扱う、ジーンズに野球キャップみたいな育種の世界とはだいぶ違った…。食品学学会は企業からの参加者が多く、男女半々くらいかな。
日本人に特化した栄養学研究ってのがすごいな。国別に見る、というの、考えれば当たり前かもしれないけど。各国に栄養摂取基準あるし。栄養学といってもはばひろーーーく、15分野の講演が同時進行する。脳機能、機能性食品、生理学、疫学、分子、運動、栄養素、食品安全、アレルギー、などなど。脳機能、機能性や疫学はかなり医学に近い分野で、医学部の発表者が普通にいる。
● 京丹後地域は全国でも平均寿命が高く、そこに住む人々の遺伝子解析、食事調査、腸内細菌叢解析をしたりしている。データはあるんです、解析したい人お知らせくださいっていう先生もいたので…名刺交換してきた。
● AIなどを使った personalized, data-driven nutrition のビジョンを語ってくれた人もいた。
● 国立健康・栄養研究所の方とも名刺交換できた! その人もそうだけど、海外でポスドクしていた人はけっこういて、話のネタになったし、そういう人は柔軟な思想を持っていることが多いので話しやすい。
● 食事データを入力するアプリもあり、減量アプリとして人気が高いらしい。そのアプリの使用者からのデータをもとに解析していたり。何を食べたかのデータ(個人情報)を提供する代わりに、栄養上のアドバイスがもらえる。塩分過剰、食物繊維が少ないというのが一番指摘されやすい項目らしい。
● アプリは食事の写真を撮ってアップロードするだけで、画像解析によって何がどれくらいあるのかが自動で判別されるらしい。それはすごい。ただ、写真の撮り方は人によって違うし、盛り付け方とかも様々だろうし、果たしてどれくらい正確なのかは疑問が残る。誰も質問してなかったな。。n数で補っているのか……。
● 本当に大量のデータを集めようと思ったら食べたものがほぼ自動で入力されるようなシステム(運動アプリが勝手に体の動きを関知して運動として記録してくれるような)が必要なんだろう。
● 動機付けとして、健康な人には、健康以外の、何か楽しめる要素(アバターを作って自分を育てるとか、ポケモンGOなどのゲーム感覚とか)がないと続かないだろうとのこと。人は健康なときには健康のことを考えないからだ。確かに!
● 何を食べるかだけではなくていつ食べるかも重要で、朝昼と昼夜で同じ量を食べても、夜に食べた方が太りやすく、疾患リスクも高まり、また気分にも影響する。「早寝早起き朝ごはん」は健康の魔法薬なのだ!
● しかしそれはみんな分かっている…問題は、長時間労働や夜型になりがちな現代のライフスタイルをどうやって朝型にもっていくかだ。大概の人は健康的な食事がどんなものか大体分かっているけど、それを実行するとなると別問題、というのと同じだ。
● 一方で、朝型人間もいれば夜型人間もいる(遺伝の影響があるので全く当人の選択というわけではない)。で、夜型の人は仕事が朝早く始まるので睡眠不足となり、不調となりやすい。という点も。「早寝早起き朝ごはん」というのは、夜型の人にも有効なのだろうか? たぶん、活動期に食べるのが重要だということなので、夜型の人の場合は数時間ずれるのかもしれない。。ということは、フレックスタイム制度は極めて理にかなっている。
● 栄養に関する間違った知識がネットに溢れているが、それらは有害なのだという問題提起も。だって、専門家には情報の取捨選択ができても、その分野の専門家でない人にはどれが有用でどれが怪しい情報なのか分からないのだから。
● 教授たちも、自分の研究結果がこんな風にメディアに伝わっているのか!?と驚くことも多々あるらしい。
● 結果ではなくてもっと方法論を重んじるべきだという、その通りです~!という発表があり、素晴らしい!と思った。「XXXがすごく効く!」というのはインパクトがあって広まりやすいが、実験の方法はどうなのか。日常摂取量の10倍くらいを投与していたり、n数が少なかったり、、落とし穴はたくさんある。そういう怪しげな研究も、査読をすり抜け、論文になってしまう。そして一人歩きしてしまう。インパクトのある論文をもてはやすのではなく、方法がきちんとしていれば、ネガティブな結果(これは効果がありませんでした等)の論文も受け入れられるべきで、公開されるべき
● 効果の無かった結果も公表すべきだ、他の研究者が同じことをしなくていいように、という議論は以前もあった。それは本当に重要な話で、これは上手く行かないよーっていうのを誰か教えてくれていれば、二度同じことをしなくて済んだのになあという事例はたくさんありそう。
しかし聞いた発表のなかでは誰もRを使っていなかったのには驚いたーー SAS, JMP, SPSS とかだったな。さすがというかなんというか。Rはよいぜよ…?
学びの多い学会だった! 行ってよかった!! 神戸近い!!
栄養学は面白いなーー 栄養学のほうが食品学より好感がもてる。 食品学はもっぱらいかに売れる食品(商品)を効率よく作るかなので、企業の目線が濃い。それに対して栄養学は、人々の健康を食の観点からどう支えるかなので、Public health というのか、 Public good が目的である。栄養学は動物実験が多いので、その点は…ねずみさんーーー😭となるんだけども。。
タブレットとプログラム本を置いて、席を確保して、トイレに行って戻ってきたら部屋は満席で、それらが消えていた!という顔面蒼白な場面も。タブレットなくなったらマジで困る……というかこんな学者ばかりの人たちの誰かが物品をくすねるなんて思いたくない。まあそれは無いと思ったけど…日本だし。I do not believe at all they would stoop to common thievery! 肝が冷えたけど、入る部屋を間違えていただけで、ちゃんとそこにあった。そのときの安堵感といったら。というか、普通貴重品を置き去りにしたりしないのに、あまりの鞄の重たさに魔が差して?しまったのか… 一瞬の油断、判断ミスがえらいことになるかもなので気をつけよう。
来年は5月で北海道ですって。ええやん♪
12月にも、時間栄養学の学会がある(備忘)。福岡だけど Zoom 中継もあるらしい。よかった。やはり移転した九大はそうとう辺鄙なところで…行きにくい。。今は何もかもが新しいし、のどかで勉強に集中できる環境なのかもしれないけど。
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