友人が旅行で一週間留守にして、その間、飼っている猫ちゃん「ジジ」はお留守番する、というので、3人でチームを組んで、交代で猫ちゃんのお世話しに行った。
ジジは、実は私が以前動物愛護センターでボランティアしていた時に引き取ってもらった子で、私も子猫時代にセンターでお世話していた。からの、大人猫になって、家族が見つかって、幸せに暮らしているところで再会、ということになったので、すごく嬉しかった~
動物愛護センターで子猫の時から育てられた猫たちは、たいてい人に慣れているのでとても人懐こい。ジジも同様だった。
なんでも、友人一家が愛護センターに猫を選びに行くときに、譲渡室で、子猫がたくさんわらわらしている中、ジジは友人の肩に乗ってきたのだそうだ。それで心を射抜かれた一家は、「うん、君だ」となったらしい。肩に乗ってくるなんて、ピカチュウのようですな。ジジのアピール作戦大成功、友人一家の新しいメンバーとなったそうな。
動物シェルターで、人間が動物を選ぶのではなく動物が人を選ぶ、という動画を見たことがある。感動ものだ。一列に並べられた椅子に里親候補の人たちが座っており、保護犬や保護猫がその前に放たれる。でも人間は、声をかけたり触ったりしてはいけない。犬ちゃん(あるいは猫ちゃん)に、愛情こもった視線を向けながら、じっと待つのだ。犬ちゃん猫ちゃんは、「君の家族を見つけてごらん」の言葉をきちんと理解し、人間たちを見つめたりにおいをかいだりしながら、最終的に一人の人に顔を押し付けて「あなたです!」と選ぶ。選ばれた人は泣き出さんばかりに歓喜し、その子を全身で受け止める。そういうエピソードを思い出した。
ほぼ同じ感じで家族をゲットしたジジは、可愛いがられているんだろうなぁ…とよくわかるお宅で、ニャーニャー鳴きながら待っていた。
普段大人数の家族がいることに慣れていて、初めてのお留守番。やはり寂しいんだろうなと思った。
玄関に続くドアのそばでしきりに鳴いていたが、私の姿を見るなり、「この人じゃない」とばかりに玄関のほうを見てまた鳴き始めた。やっぱり家族の人じゃないってわかるんだな。
一日目は、私の滞在時間が短かったので、ごはんあげてトイレ掃除して、オモチャで遊んで、という感じ。ハンティングゲームを永遠にしていた。私がしゃがんでいる足の間に入ってきて獲物を狙う。知らない人への警戒心とか何もなくて可愛い。番犬(番猫?)にはならないけど、可愛い。
一回、全身の力を込めてすり寄ってきて撫でて撫でて、ってしてきたのもすごく可愛かった。撫でられるのも自分の気の向いたとき、というのがすごく猫らしい。
帰る時はまたニャーニャー鳴いて、「帰らないで」アピールをされた。寂しいよね。交代で人が来る約2時間の間以外は、一日ずっと一人だもん。うぐぅ……。後ろ髪を引かれまくりながら帰った。
なので二日目はもっと長くいてあげようと思い、パソコンや勉強道具を持参した。相変わらず、玄関に続くドアの前でニャーニャー鳴いて待っていた。今日は長くいてあげるからねーと声掛けしつつ。すり寄っては離れ、抱っこもお気に召さず、ちょっと拗ねているような感じもした。留守番4日目となっていたので、ストレスが溜まっているのかもしれないなと思った。動物を飼うと旅行とか難しくなると言うけど、本当にそうだなと思った…。
美味しいベーグル屋さんが近所にあると聞いたので行ってみて、クリームチーズ&サーモンサンドを買った。それを私が目の前で広げても、ジジは興味を示すものの、手を出したり食べようとしたりすることもなく、とてもお利口。
そして、私が机の上にパソコンを広げると…! 本当にもう、条件反射のようにそこへ来て、キーボードの上にどっかりと座る。来た来た来た。まるで猫ホイホイ。まだ何も作業を始められないうち、キーボードがまるごとジジの大きな体に占領され、奇妙なアルファベットの羅列が入力され始める。そして、Shiftキーが連続して押されると出るエラーみたいなのまで出た。これが世に聞く猫ハラかぁーーーと、初めての体験にうっとりしてしまった。ジジの飼い主さんに後で聞いたら、「それ、よくするわ」と言っていた。可愛い…。これをしたら構ってもらえると知っているのだろうか?? キーボードを占領されて仕事にならないのでとりあえず撫でる。ジジの思うツボだと、分かってはいるのだが。黒々した毛並みが美しい。床を転がったりしている全身だけど、「ホコリが…」とかよりまず、可愛いが勝ってしまう。猫は自分の魅力をおそらく知っているであろう、賢い生き物である…。
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| PCに座り、「何か問題でも?」と言いたげな視線。 |
とりあえずPCにロックをかけ、愛でる。本当に仕事にならない笑。
紙ならいけるかと思い、今度はノートとペンを机の上に広げてみた。すると…! 今度はそのノートの上にどっかりと座るではないか。ノートも猫ホイホイになる。もはや何でもいいのか…? またしても勉強できない。ジジの完全勝利であった。思う存分なでなでし、猫吸いもし放題なので、もはや私も楽しむことに専念した。猫は無臭に近いけどほのかにいい香りがする。うーん、最高。
最終的に、私が持ってきていたPC用のフェルトケースを置いたらそこにどかりと座ってくれた。長方形で周囲と色が違うものなら、とりあえずそこに座ってみたくなるのだろうか…? 箱に入りたくなるような感じで。一瞬フェルトで爪を研ぎ始めたが、「そ、それだけはやめてー」と言ったらやめてくれた。お利口。かくして、30 cm隣でジジが寝ている状態でPC作業ができた。至福の時間だった。猫がいる在宅ワークの生活ってこんな感じなんだな。これはたまらないなあーー。しかも、寝ているところを撫でると小さく「ミャン」とか反応してくれる。猫もなんだかんだ、人の気配が恋しいんだなと思った。
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| ノート、ペンにも興味津々! |
数時間も経つと、ジジは人との時間を十分に摂ったと思ったのか、少し離れた本棚へ移動。私の姿が見える場所ではある。そこでまたお昼寝。きっとそこでいつも寝ているんだろうと思われるような、ジジのスペースが開けられている本棚だった。私がトイレに行ったりキッチンへ行ったりすると目で追いかけたりついてきたりする。か、かわゆすぎだ…。
しかも、その本棚で寝ている間、ジジの手を撫でると、そのまま私の指を両手で掴んで昼寝を続けるではないか! 人の手を握って寝ていたいとは…! 人間の赤ちゃんも顔負けである。なんて可愛いんだろう。文字通り心臓がギュン!となった。
ついに来た夕方だったが、「帰らないで」アピールは前日よりは弱かった。満足してくれたのだろうか。
ときめきっぱなしの「ジジのお世話大作戦」であった…。
ジジが幸せに暮らしていることも嬉しかったし、私のことを覚えているのかいないのかわからないけど、めちゃくちゃ懐いてくれたし、ジジの寂しさを癒すのに貢献できたことで、私の心もほくほくの2日間だった。
ジジは無事にその後家族と再会し、きっとちょっと拗ねながらもすぐゴロニャンして、日常が戻ってきたのだと思う。
貴重な体験で、非常にありがたかった。全世界の保護犬・保護猫に幸あれ。


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