8.29.2024

「悪女について」/有吉佐和子

おすすめされたので読んでみた。
なんともいいがたい読後感ーー 人にはいろんな面がある。結局謎解きはなかったのか!とか。

戦後すぐの話。有吉佐和子が生きた時代もまさにその時期で。
宝石商、不動産転がし、サロン経営などなど、やり手の大金持ちになった富小路公子。
娘、友人、婚約者、妻、不倫相手、母親などなど、それぞれの関係性で関わった人たちがかわるがわる語る、「悪女」のお話。いろんな男性と関係を持ち、子どもを産み、慰謝料をもらい、別の複数の男性と婚約し、籍は入れず…、お金を稼げそうなら使う、みたいな…。今のDNA鑑定技術やメール、GPS、などがあったら到底できない所業で、時代を感じる。

民主主義というものが入ってきたんだ、とか、もはや戦前の貴族・財閥は没落し、今まで自分で働くということを何一つ知らなかった奴らは懐古主義に走る、など、過渡期にある当時の日本のことがよく描かれていると思う。




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