4.16.2025

『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』/くどうみやこ

大人ライフプロデューサーという肩書を持つ、くどうみやこさんの著書。




くどうさんは、子どものいない人向けのサロンもしているようだ。似た境遇で、かつ、そんなに親しくないからこそ、相談できたり、気持ちをわかってもらえることもある。
くどうみやこオフィシャルサイト https://www.kudo-miyako.com

この本は図書館でたまたまカウンターの近くで見かけただけで、何の気なしに借りてみた。衝動買いならぬ、衝動借り。でも、とてもよかった。

未婚・既婚にかかわらず、子どもを持たなかったひとたちの思いの丈を丁寧にインタビューした記録。産まなかった理由も、病気、自分の不妊、夫の不妊、いい人に巡り合わなかった、結婚時の年齢が高すぎたため、最初から産む気はなかった、などさまざま。

ほしくて授からなかった・タイミングが合わなかったのと、最初から別にほしくないと決めていた、のとでは、かなり差がある気がするが…。

あまり、誰とでも気軽にできる話ではないので、「子どもをほしいと思ったことはない」とインタビューに答えている人の話を読むと、「やっぱり私と同じ感覚の人はいるんだ!」と改めて嬉しい気持ちになる。

「未産」・「未婚」という言葉は、「まだ」という意味あいがあり、「まだそこなの?」という印象がある気がする。ので、未産女性の割合は…とかあまり言いたくない。その言い方自体、出産が女性だけのもので男性は蚊帳の外でいい、という考えを間接的にでも助長している気がするからだ。

ので、私は「子どもを持たない世帯」で表現するけれど、子どものいない世帯は、2020年に全世帯数の20%を超えたそうだ! 子どもありの世帯は35%。思ったより差がなかった。単独世帯は38%。

もはやマイノリティではなくなって来ているし、声を上げよう。わたしたちの存在を知ってもらおう。堂々としていよう。子どもがいないからこそできる社会貢献だったり、活躍の仕方もある。親になったからといって必ずしも人間的に成長できるかといえばそうではない。(私の叔父叔母も子どもがいないが、二人とも超いい人だ)

日本はお一人様が暮らしやすい、というのは本当にそう。アメリカのカップル文化はやはり単身者には非常に居心地が悪い…。

脳科学者を始め、専門家のコメントと、「子どもを産まなかった女性への応援メッセージ」もある。

総じて、「子どもを産まなくても、素敵な人生を送ることはできる。」

子どもを産んでいない人は、「結婚はまだか」「いい人いないのか」「子どもはまだか」「あとになったら産めなくなるよ」と、おせっかいを焼かれる。子どもありマウントもあるし、親業をしている人の仕事を振り分けられることだってある。

親になったらなったで、一人っ子だったら「2人目は?」と常に聞かれるし、小学校・中学校受験、習い事、成績、クラスカースト、地域の子ども行事など、比べられマウントされる場面はたくさんある。

なんというか、もう、どちらの人生を選んでも(どちらの人生になっても)、気になることはたくさんあるし、辛いこともあるし、傷つくような言葉を言われることもある…。

子どもを授からなかった人の夫へのインタビューで印象的だったのが、

「結局、周りの言うことに振り回されず、自分たち二人で決めていくという軸が大事かなと思っている。〜中略〜 老後のことは未知数だけれど、自分たちが老人になる頃には、ロボット介護も実現しているんじゃないかと、夢半分に思っている」

子どもであろうが結婚であろうが、「高スペックの恋人」だろうが、「それは本当に自分が欲しいものなのか?」と問う自分軸はとても大切だ。

そして、未来は常に変化するものだし、自分の状況も変化するのだから、備えはしつつも、楽観的に、不安になりすぎずに今を楽しむ。その時その時で、最善と思われる選択をしていく。そういうふうな姿勢が大事だな、本当に。と思った。

本書の最後に、子どもがいないのであれば、「血縁ではない別の社会的なつながり」を持ちましょう、とある。子ども関連の地縁だって、引っ越したり、子どもが卒業・独立してしまえばなくなってしまうかもしれない。社会的なつながりは大事だ。孤独は喫煙と同じくらい健康に害がある(平均寿命が縮まる)、とする精神科医の言もある。

個人主義にはいいところもたくさんあるが、個人で社会的なつながりを自由に構築できる、ということは、自分で作らなければ自動的には発生しない、ということでもある。狭い村落で、自由に引っ越しできなくて、村は全員顔見知りというひと昔前の状況では、孤独は感じないかもしれないが閉塞感があるし同調圧力も凄まじいだろう。一長一短あるけれど、今の時代は個人主義の時代なのだろう。

それに適応していくしかないし、それを有効活用できればいいのだ。

私は、私の友達みんな京都に集めてムラを作る夢があって、それを実現させていこうかな🎶 (定期的にパーティーとかお宅訪問とかピクニックとかして、何かあったら、助けあって。誰かが留守にするときはペットの面倒を見合って、とか。いやーー夢は広がるなあ。







No comments:

Post a Comment