9.08.2024

「わかりやすい交流分析」/中村和子・杉田峰康 1



心理学、自分の心、状態を客観的に見られるようになって、じゃあどうすればいいのかもわかって、とても充実!!もっと早く知りたかったと思うことばかり。分析屋にはたまらない。

交流分析は、人と人の交流、やり取りをパターン化し、なぜそのやり取りが起こるかの背景を説明しようとする。

自我状態は3つあり、P親、A大人、C子ども。さらに、PはCP批判的な親とNP養育的な親に、子供はFC自由な子供と、AC順応した子供に分けられる。

人と人との交流は、一方の人のある自我状態からのメッセージが、他方の人のある自我状態に向けられる。A→A、大人同士の論理的なやり取り、P→C、大人から子供へ、先輩から後輩へのような。など。C→A、甘え。

構え 自分と他人に対してOKと思っているかどうかで、4つの組み合わせがある。幼少期の親との関わり、愛情が与えられたかどうかで決まる。OKであるとは、生きる価値がある、素晴らしい、愛される価値がある、成し遂げられる、ということ。自分もOK、他人もOKという構えの人は、共感と信頼に基づいた血の通った交流が可能だが、この理想の構えを持つように育つことは稀で、大人になって自己訓練して身につける必要があることが殆どである。

ストロークは、言葉がけ、スキンシップ、愛撫など、特に幼児の発達に必要不可欠な生物学的刺激。肯定的、承認的な陽性のストロークと、傷つけ、困惑させ、怒りを誘う陰性のストロークがある。陽性のストロークをあまり受けずに育った人は、ストロークがほしいが上手くできないため、歪んだ形で陰性のストロークを出してしまう。

ゲームは、遊びの楽しいゲームではなく、裏面的交流(発せられた表向きのメッセージとは別の、隠された裏のメッセージがある)が、定型化して、繰り返されるもので、劇的な結末(一方あるいは両者が怒る、傷つく、欲求不満になるなど)を迎える。

思えば、こういうやり取りをずっと延々と繰り返している人がいる。このようなゲームに巻き込まれると不要に消耗するので、巻き込まれそうになったら毅然と距離を取って、冷静に、「あなたならどうしますか」、と、相手に考えさせること、だそう…。

  1. 「はい、でも」 自己肯定・他者否定。自分は親の思い通りにはならないという復讐心の表明。
  2. あら探し 自己肯定・他者否定。
  3. 「キック・ミー(私を嫌ってくれ)」自己否定・他者肯定。他者にひどいことをする。が、自分は被害者とも思っている。自分はOKでないことを確認したい。
  4. 苦労性 自己否定。キャパ以上に引き受け、パンクすることを分かっていながらパンクする。「どれだけやっても私はダメ」
  5. 「ひどいもんだ」(大騒ぎ) 大騒ぎすることで注目、愛情を得たい。
  6. 仲間割れ(させる) 「他人はOKでない」を証明したい。
  7. 決裂 おまえはOKでない、とお互い思っている人同士、物別れになる。
  8. 「あなたを何とかしてあげたいだけなんだ」 自分になにかできることを証明したい。
  9. 精神療法 「医者が無能だということを証明してやろう」という強迫的信念をもった患者が、医者と水掛け論になる。
  10. 義足 「私は頭が悪いのです」 「私はこんな親に育てられたんです、まともになるわけがないでしょう」自分の弱点に言い訳をし、向き合わず、責任転嫁する。他者否定。

相手を消耗させ、イライラさせることで、一時的に歪んだ欲求が満たされたとしても、またすぐストロークが欲しくなり、同じゲームを繰り返してしまう。ゲームのカモとなる人も、弱点(患者を治したいとう強迫観念や、あらゆる人と仲良くならなければいけない、という強迫観念を持っている人など)を持っており、そこにつけ込まれることになる…。



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