「もう一人、誰かを好きになったとき」／荻上チキ

オススメされたものはどんどん読む派！

一度に複数の人と付き合える、ポリアモリーの方々のお話。モノガミー（パートナー１人だけにコミットする）が当たり前の社会にいて、その価値観を内面化してしまうので、そうではない自分に葛藤が生じ生きづらさを感じる。そう。ポリアモリーや愛することについて自由に、安心して語り合える場所づくりをしている人も紹介されている。自分だけじゃないんだ、と思えたら、かなり楽になるだろうな。

ポリーの人はそんなに苦しい思いをしていたのか…、社会が自分と同じ価値観（モノガミー）だったら、その同じ価値観に対して、これほど苦しい思いを抱く人がいるということになかなか思い至らないな。誰もがやはり、差別する側、苦しめる側、多数派になりうる。あらゆる面で。

複数人を好きになれる人は実際にいて、それはLGBTQIAなどの「多数派とは違う」と苦しんでいる人たちと同じなんだなあ。社会の「常識」は、時代や場所が変われば変わるのに。例えばイスラム教は一夫多妻だし、昔の日本でも側室とか、妾とかいた。（まぁそれは、女性の立場が極めて低いので別の問題があるが…）今、ここ、の制度、思想に縛られ、ジャッジされるのは悲しい。いかに簡単にそうしてしまいがちか、自分の価値観で物事をあたかも客観的な定規を使っているかのように判断してしまいがちか、思い出させられる。