2.05.2015

アルペルギルスの名前に注意

黒麹(くろこうじ)菌が話題に出ることがあるのだが、
学名(学術的な生物名)はAspergillus niger。日本語でアスペルギルス・ニガーと読まれることが多い。

しかし、私はこれを聞くたびにうわ!と思う。
なぜなら、ニガーというのは黒人に対する蔑称だからだ。
これを聞くたびに、周りに怒った顔をした人がいないかきょろきょろしてしまいたくなる。

学名は殆どがラテン語で、日本語風の発音をするのはしょうがないのだが…。
この言葉、Fから始まる罵り語と同じくらい強烈で、特に人種差別問題に敏感なアメリカではN-word(Nから始まる禁忌語)と言い、誰か特定の人に対してでなくても、とにかく口にすることも避ける。それくらい重い意味がある言葉であることを、せめてわかったうえで、聞き手が日本人だけであることを確認してから使ってほしいと思う。

でも本当は、「アスペルギルス・ナイジャー」と英語風に、問題ないように普段から読むべきだと思う。海外で学会発表するときだけ、「ナイジャー」と読もうとしたって、いつもうまくいくとは限らない。緊張もあるし、普段していることがそのまま出る。場が凍ってしまう(だけならまだいいが、凄まじいバッシングがあったりして)、そんなリスクを負う価値はない。

機会があるたびに、地道に伝えていこう…。

まあ、例えば粉末の薬を飲んで、「苦~~!」と普通に日本語で言ったとして、それが差別発言になるのかといえば、微妙だけれど。。それがどこで起こるかにもよる(日本かアメリカか)。そこは、お互いに寛容になる必要があるなあ。