11.01.2014

学校の校と悦楽の悦の右側

以前英語の校閲をしていると書いたが、最近は日本語でもしている(笑)。
ちょっと高校の文芸部を思い出して懐かしい。

いろんな人が記事を書いて、誤字脱字や文法間違い等がないか最終確認する仕事である。(業務外…) 他の人にとっても記事づくりは業務外であるが故、「読み返してないな、これは。」と思われる原稿がたくさんある。ワープロの普及により、自分もほかの人も、国語力と漢字力の低下は半端じゃない。

以下、注目に値したもの。間違いを見つけられるか挑戦してみてください。

1.『その人の表情は筆舌し難かった。』
2.『日本には四季があり、天気の変化がめぐまるしいです。』
3.『大きな岩に閻魔大王の顔が掘られている』
4.『初めて参加するセミナーだったのでので、非常に有意義だった。』
5.『なぜ~だったのでしょうか? 一つにはこの地域は森林が近く樹液が豊富に取れました。』

こんな状態で原稿をそのまま提出してくる人たちの、日々の報告書などは大丈夫なのか心配になってくる。上司が訂正するのかもしれないが、それは上司が見るべきこととちゃう!と思う。

1.正しくは、「筆舌に尽くし難い」。何が筆舌に尽くし難いのかを書き加えるべきだと主張したが、まあこれで通してくれと言われた。もっと言えば、もっと極端な事柄についてこの熟語を使うべきではないか。言葉では十分言い表せないくらいひどい、とかそういう時に使うのでは。
2.正しくは「めまぐるしい」。なぜそうなる??? めまぐるしいと頭で勝手に判断して読み
飛ばしてしまうから、要注意だ。最初気づかなかった。
3.掘るではなく、彫る。これも漢字の使い方。ほんの小さな違和感だったので、気のせいかと思ったが一応辞書を引くと、うわ、やっぱり! 校閲者は、普通の読者の視点ではなくて、検閲者のような心構えで、目を皿のようにして一字一字見なければ。字が多い原稿だと気が滅入るのよね…。
4.のでので??? 見返しなさい!!!
5.「一つには、~~だったことがあります。」「一つは、~~だったためです。」となるべき。これも読み返したら変だって思わないのかな。

最近ブログなどの普及で、タイプされた文章でも誤字や文法誤りが珍しくない。それに慣れてしまうと、こういった校閲の際に、見逃してしまう…。

というか、自分の記事には責任持ってほしい。校閲なんかなくして、訂正や校正は入らないというきまりにすれば、自分でしっかり見直すようになると思う。そのほうがその人のためにもなる。


新聞の校閲者の書いたコラムによると、校閲者はもっと厳しい。所属長が、広辞苑をまだ全て覚えていない、と言っていたのを耳にして、大変な部署に来てしまった…と思ったそうだ。ともかく、記事の中の単語という単語を全て確認するのは勿論のこと、内容まで確認するのだそうだ。たとえば、紙面小説の中で「特急○○は△△駅を通過する」とあれば、その列車の停車駅を調べ、本当にそうなのか確認する。小説なのだから、作者の責任ではないか!と思うが…、新聞社であるがゆえ、間違った情報は出せない。夜を徹して行うのだろうか…大変だ。

彼らは領収書を書いてもらう時に「こうえつ」を漢字でどう書くかからいつも説明しなければならないそうだ。悦楽の悦の右側って(笑)。税金の税の右側の方がいいのではないだろうか。「悦楽」を知っている人なら、「校閲」も書けると思うのだが。面白い。

何はともあれ、正しい国語力を備えた人物でありたい。そこまでいかずとも、文書作成には丁寧な人でありたい…。

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