9.11.2022

自分と他人の許し方、あるいは、愛し方 / 三砂ちづる

  • 青ヶ島では別れの際に「さようなら」ではなく、「思うわよう」という。離れてしまってもあなたのことを思うわよう。情愛に満ちた言葉だ。
  • 神津島では久しぶりにあった人に愛情を込めて「かわいやのー」。懐かしくて、愛おしくて、嬉しくて、また会えたことに感謝するばかり、の心情。
  • ポルトガル語の「サウダージ」。以前に親密な時間を紡いだ人と、今は会えなくて、その人のことを恋しく、懐かしく思う気持ち。ポルトガル語話者と別れるとき、「あなたのことをサウダージするね」と言われる。ポルトガル語特有という風にかかれているが、ニュアンスとしては、I'll miss you. に近いと思う。もうすこしポジティブな感じなんだろうか。そういえばポルノグラフィティの曲にもサウダージというものが。歌詞をみても、うん、合ってる。
  • 年を取るとだんだん、「関係が終わってしまう前に命の方が終わってしまうことが多くなってくる」。それはとても…深いと思う。し、実際に実感しなければきっと現実味がわかないものでもある。少なくとも今は。
  • 鯖江市は家族工業が多いので、家にいて働ける。だから、女性の就業率が全国一くらいに高い。本来は仕事と家に明確な境界線はなかった。京都でも職住一体で、けっこうそうだった。高い柔軟性がある。
  • 個人商店などがスーパーなどにとって変わられ、いつからか仕事は、家の外に行ってするものになった。
  • 昔は、仕事と家庭の境界がもっと曖昧だった。
  • ブラジルでは、痴漢が日本みたいに蔓延することはないだろうなとのこと。なぜなら、被害者の方が黙っていないから。「これは誰の手なの!あなたは今私にしたことを母親や姉にできるの? 恥を知りなさい」と言うだろうから。これは…もう根本的な意識の違いがある。被害者が泣き寝入りしたり、自分を責めたりすることはない。こうであるべきだ。
  • フランスで六歳の子供に教えられる性教育とは、「あなたの体はとても大切、特に水着に隠れる部分は、誰も見たり、さわったりしてはいけない。もしそんなことがあったら、走って逃げるか、大声を出すこと。」だそうだ。このようなことを小さい頃から教えることで、将来、DVに遭ったり、とんでもない労働環境にさらされた時には、自分の体を大事と思って、逃げることが出来るのではないか。どうも、日本には、そういう教育が不足している。
還暦を迎えた方だけあって、「昔はよかった」論になっているところもあるが、ブラジルやイギリスで長年暮らしていたお話、人類学的なお話は面白い。


No comments:

Post a Comment