5.29.2016

「シャーロック・ホームズ」大人の楽しみ方



シャーロックホームズが好きでよく読んでいた(延原謙氏の訳がいまだに一番だと思う)。単行本も持っているが、かれこれ10年くらい開いてもいないが捨てられない…。これからの引っ越しでどうするか考え中。あの文章が本当に好きなので。

そんなシャーロッキアンは多く、諸兄さんもその一人。この方はホームズの生きた時代(即ち18世紀末のイギリス)のことをつぶさに調べ上げ、ホームズを通して知的な会話が楽しめるようなネタ帳としてこの本を著している。社交の定番で無難な話題と言えばスポーツだが、その他にもこんな話題があると奥行きのある人間になれそうだ。

というわけで、ホームズの時代にはロンドンは煤煙が覆っていてすごく空気が悪かったとか、階級社会でメイドとは口も利かなかったとか、ホームズがとある国王に事件解決の報酬として要求したのは現在の金額で3億円だったとか、当時のイギリスのお金はポンド、シリング、ペンス、ギニーなどが入り混じったきわめて複雑なものだった(しかも1ポンド=20シリングとか、計算しづらい)とか、いろいろと「へええ」と思うことがある。

そして、ワトソンが何回結婚したかとか、ホームズが手掛けた事件で成功は何度、依頼人が犯人だった事件が何件、怪我をした回数は何回…とか、よく読み込んであるなあと感心するような細かいことまで。年代や天候など、どうしても後の話とつじつまが合わない事柄も出て来て、その場合は「記録係ワトソンの健忘症」なんて言われるらしい。ドイルの間違いなのだが…、ワトソンは損な役回りである。笑。

ここまで、ホームズやワトソンが何をしたかを事細かに検証しているので、実在したのではないかという錯覚に陥ってしまう。実際、ロンドンのベーカー街にあるホームズ博物館は、物語の中のホームズとワトソンの下宿を驚くほどの精密さで再現していた。今にもホームズが階段を上ってきて、「やあワトソン君」なんて言いそうな雰囲気だった。

やはり、当分ホームズの本は捨てられない。




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