4.20.2019

ラベンダー色の卒業式


LGBT Resource Center という、大学のLGBTQ+の人たちを支援する団体が主催する卒業生祝賀会のようなものに参加してきた。会場はラベンダー色で統一されていた。ラベンダー色は、LGBT活動団体が好んで使う色なのだそう。男性は青、女性は赤、と表示されることがよくあって、その中間色だからかな。

卒業生は30名くらいいた。これがLGBTの全員ではなくて、この祝賀会に参加したい、名前を出してもいい、という人たちだけ。見た目男性でワンピースを着ていたり、見た目女性で刈り上げにスーツを着ている人もいて、安心して素の自分でいられて、お祝いしてもらえる場所っていいなと思った。誰でも使えるジェンダーフリートイレはどこどこにあります、というアナウンスもあり。カップルで来ている人もいたけど、学部生の卒業生が多かったためか、友達とおぼしきグループがたくさんいて、親御さんたちもいて、和やかだった。

私の隣に座っていたのは英語ライティングを教えているという教授で、指導している学生がLGBTグループを作ったというので顧問になり、そこからいろいろと活動するようになったそうだ。そのグループが表彰を受けたそうで、本当に自分のことのように喜んでいて、学生を称えていた。いい先生だー。

ジェンダー研究者のスピーチ、プロのMtoFコメディアンのダンス、LGBTセンター長の挨拶などなどあり、充実しているなあと思った…。でもLGBTセンター長は、実に様々な学生の苦労を見てきた。逆に言うと、LGBTQたちが苦労するから、センターが必要であるわけで。アメリカでは同性婚が合法とされて早3年以上経つけど、宗教の絡みもありみんながみんな好意的なわけではない、残念なことに。

大都市や、国際的な大学都市、米国北部(リベラルが多い)では認知は進んでいるけど、田舎の方や南部ではまだまだ。最近は隣の市で、同性愛者を雇用しないとした農家が市に改善勧告を受けたが逆に訴えたなんてことがありびっくりした。

ともかく、誰を好きかなんてその人の人間性のほんの一部で、他人がとやかく言うことではないということに早く気付いてほしい。本当に重要なことは何なのか。宗教か、隣人を愛する心か。人は知らないことに警戒を示す、だから、周りにいるんだよ、特別なことではないんだよ、と頻繁に伝えていくことが大事だと思う。

関連してTed Talk もちょっと聞いた。ある活動家のお話、敬虔なキリスト教徒だったけど、娘がバイで、教会コミュニティか家族かの苦渋の選択を迫られ、家族を取った。教会コミュニティにはいられなくなったけど(そんなことが実際起こるんだ)、親に拒絶されたLGBTの子供たちを支援する活動を始め、卒業式や結婚式に親代わりとして参加したりしていた。また、カミングアウトされた親からの相談にも乗っている。その子供たちはものすごく救われたと思う。「LGBT支援イベントで『パパ、ママからのハグ』というプラカードを持って歩くと、何人もの子たちがハグを求めてくる。彼らは親からの愛情を欲している。彼らを助けたい。」と言っていたのがすごく印象的だった。どんな状況でもプラスに変えて、支援活動に変えられるんだなあと思った。

私も、知らないために、何かを誤解していたり、偏見で見ていたりすることがあるのかもしれない。何でもオープンな心で、本当に大事なことは何かを常に問うていたい。




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