3.24.2024

「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」/岩井俊憲



ヒナコはアドラー心理学に異様に詳しい高校生。突然、つぐみ(会社員)の家に居候することになる。ほかの人の仕事まで頼まれても断れず、同期会に特に行きたくなくても断れず、のつぐみにアドバイスする。ヒナコ自身も、ネグレクト気味の母親から逃げてきており、父親に連れ戻されそうになったとき、「ヒナコの課題じゃない。あなたがた夫婦の課題です」と、つぐみが助ける。

課題の分離というのは、折に触れて思い至る。
1.自分の課題なのに他人に解決してもらおうとしている、または 
2.相手の課題なのに自分の思い通りにしようとしているとき、
フラストレーションをためていることが多いと思う。だから、分離せよ。

つぐみが、気が弱く遠慮がちな派遣社員の涼太(現彼氏)との将来について悶々としているとき、上司の◯◯(名前忘れた…!)に、「君を幸せにする!」と直球に告白される。で、その解説文。「つぐみは心が揺れてしまいます。学歴も収入も、◯◯は涼太の比ではないでしょう。玉の輿に乗れるかもしれません。」って!! えらいここだけ時代錯誤ですなあ!? これは、「女性は経済的に男性に頼るもの」という潜在的な刷り込みを与えそう。ここだけがすごく残念だった。二人で稼げばいいじゃない。そのほうが対等になれるのに。結果、涼太に、「私と結婚する気あるの?」と勇気を出して聞いて、涼太の本音も引き出すことができ、婚約に至る。気になっていることは、悶々とするのではなく聞いてしまう、話はそこからだ。

樺沢紫苑先生も、「行動を起こそうか、どうしようか…で悩むのではなくて、行動してみて、うまく行かなかった、じゃあどうしようか?、そこで悩んでほしい。皆さん悩む場所が違う」と言っていたのを思い出す。うまく行かなかったとき、「だから自分はだめなんだ、あー(沈)」となってしまう人は、失敗するのが怖い。「あらま。じゃあどうしよう?」と思える人は、自分を過度に責めることなく、次の策を練れる。日本で普通教育を受けているとどうしても、前者になりがち。「うまくいかなかったこと」と、「その人」が混同されがちだからだ。改善されることを切に願う。後者になるには、自分でその呪縛から解放される必要がある。

それに関連するのが、勇気づけ勇気くじき。勇気くじきで、人はやる気や自信をなくしてしまう。

勇気とは、「困難(課題)に立ち向かう気力」。

その人の課題に向かい合い、解決のために努力するように励ますのが、勇気づけ。
「できるよ、大丈夫。」
「今回はうまく行かなくて残念だったね。次は、どこを改善したらうまくいくようになると思う?」

勇気くじきはその反対。
「なぜできないんだ、だからお前は…!」

*           *           *

一つの分野、アドラー心理学について、様々な解説本を読むのは面白い。違う視点や違う事例を学べて、大事なことは何度も強調されて身につく…!!


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