11.23.2023

「徹底的に聴く技術」/赤羽雄二

 


アクティブリスニング

目的
問題解決をするために聞く。

(相手の書いたものを読むとか、事前予習も検討する。)

方法
聞く、質問、深堀り、まとめ。

● 躊躇なく質問する。
ただし、話の腰を折らないように。
相手の、話したいという気持ちが高まっているかどうか、を気にしていれば質問のタイミングが分かる。

● 理解を深める。
問題を把握する。深いレベルで把握する、そのために深堀り。
ーなぜそうなっているのか。
ーどういう説明がありそうか。
ー起こり得る最悪な事態は何か。
ー今後どうなっていきそうか。

● 仮説が立ったら、すぐ共有して相手の意見を聞く。
「だとすると」「そうすると」で、さらに深堀り。すり合わせ。

● 解決策も思いついたらすぐその場で共有。
相手の感想を聞いてさらに策の精度を上げていく。

● 上司から部下へのアクティブリスニングだと、萎縮して話しにくいこともあるので、一対一で会議室で。相手が話し始めるまで気長に待つ。否定、アドバイス、常識的な意見はしない。

● 時間を取ってくれた相手に感謝し、聞き出せることのすべてを聞き出し、学ぶ。そのためにも事前知識や普段からのアンテナが大事。
「どれくらい電気自動車の充電は時間がかかりますか」「それは改善しそうなのですか」「新しいタイプの燃料電池はいつぐらいにできそうなのですか」

ポジティブフィードバック=どんなときも肯定的に話す、感謝する。コミュニケーションが円滑になる。ただ、失敗しても褒めるということではない。次こうすればうまくいくよ、と前向きに、建設的にコメントするということ。

● 友人・家族の場合は、上から目線にならないように、気をつける。

● 褒め、感謝した直後になにかの指摘をするのは効果なし! 「これよかったよ。それで、あの件だけどさっさとやってくれるか。」と言うと、褒め言葉は単なる枕詞となり、全くポジティブに受け取られない。褒めるのと指摘するのは別の機会にしたほうが良い。

● 部下の成果に関して、上司のポジティブフィードバック

結果が素晴らしいとき
「これは素晴らしい、本当にありがとう」

結果が良いとき、まあまあ良かったとき
「良かった。ありがとう。頑張ったね。」

本人がベストを尽くしたが結果が伴わなかったとき
「残念だったね。だけど、頑張ってくれたのは知っているよ。心配ない、大丈夫だよ」

本人の不注意で、結果が出せなかったとき
「これはだめだったね。もっと注意してやるべきだった。だけど、次回もっと注意してやれば、必ずうまくいくよ。」
基準は下げないが、罵倒はしない。うまくいくための仕組みづくりを考える(スキルアップ、手順書見直し、業務体制見直し)。

本人が途中で投げ出してしまったとき
「これはまずかった。できると思っていたから残念だよ。だけど、次回はもっとフォローするから、必ずうまく行くよ。」
(部下が結果を出せなかったのは、実は上司の責任)


アクティブリスニング、ポジティブフィードバックともに、
ー自然体で相手に接する
ー自分が上だと思われたいとか、期待に応えたいとかいう雑念を捨てる
ー相手の話を聞いたから損をするわけではないと考える
ー一期一会と思って大切にする
ー相手のポジティブな変化を目にすると、続けやすい


傾聴と違うところは、問題解決に主眼を置いている点でしょうか。
傾聴は、問題解決のために聞くというよりは、相手の感情、思いに寄り添い、それを、あたかも自分のことのように感じて共感するということ。そこには、必ずしも解決できない問題に関する傾聴も含まれます(災害、離別、病気など)し、ただ、そこに一緒にいるだけ、というのも含みます。

問題解決を目的とするアクティブリスニングか、相手に寄り添い、ともにその状況を「味わう」傾聴か、時と場合によるでしょう。前者はビジネス、後者はプライベート、と分けることは簡単ですが、そう簡単ではなく、どちらの場合においても、どちらのメソッドも、大事な気がします。



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