とてもありがたい。現在進行形のものもあるけど、面白かった！
若き日のブッダ 里中満智子
現世で功徳を積めばもっと安らかな来世が待っている。らしいが、ひっかかるのは、なぜ現世がこんなに苦しいのか、は、自分が前世で悪い行いをしたからだ、という説明だ。つまり、自分が覚えていない（しかも存在するかもわからない）前世というものに今の問題を起因させている。不思議な自己責任論だ。飢えるのも、戦乱に逃げ惑うのも、天災に遭うのも、前世の行いが悪いせいなのか？ 一方で、衣食住に不自由しない恵まれた人々もいる。その差は多くの場合、人が作った仕組みが原因であるということを、我々はすでに知っている。自分の前世の行いによって今の待遇が決まると教えることは、結局の所、現世の自分の力ではどうしようもないことを黙って受け入れよと教えていることにならないか。それは、人々に心の安らぎは与えられる？かもしれないけれど、現状を変えることを教えるとか、今の仕組みがおかしいという問題を提起することはしない。のでは…？ と思った。けど、仏教の教えはもう少し深いのかもしれない。さわりを漫画で読んだだけなので。ブッダに関わる人々の続刊もあるといいなあ。
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